あるがままの自分を好きになるココロの旅
〜アルココ物語〜
主人公“ココロ”は18 才の女の子。進学にも就職にも失敗し、不本意ながらもフリーターとしてファミレスで働いている。
あらゆる面で自分に自信が持てず、他人の様子を伺いながら生きていて、言いたいことも言えず、精神的にも経済的にも非常に不自由な生活を強いられている。
強いストレスを抱えている為にいつも注意力が散漫で失敗が多い。
ある日ココロは、また仕事中に失敗して店長に怒鳴られ、衝動的に「辞めさせてください」と飛び出してしまう。当面の生活費を確認するために銀行で記帳して余計にショックを受け呆然とする。
そこへ銀行マン“きゃっちゅん”がココロに声をかけ、アドバイスをしたり人を紹介したりする。皆が親身になってココロにアドバイスをくれる。収入は人を喜ばせた結果であること、責任やリスクを負えば収入も増えること、ポジティブな気持ちがラッキーを引き寄せること…
きゃっちゅん が紹介してくれた人は皆、自己への肯定感で溢れていて幸せそうだった。しかし正論を聞けば聞くほど、ココロは自分が責められているように感じ、どんどん落ち込んでゆく。
ひとりぼっちで公園にたたずむココロ。
そこへ女神が現れ、言う。こんなに傷だらけのハートで今までよく生きてきましたね。あなたはハートが傷ついているから、誰に何を言われても、傷ついてしまいます。ハートの傷を癒しさえすれば、今ほど傷つかず、気にならなくなるから安心しなさい。
女神はココロを優しく抱きしめ、そしてココロに水晶玉を握らせた。水晶玉には花の模様が描かれていた。
呪文を唱えると花模様がココロの姿に変化し、等身大になってココロの前に現れた。外見はココロ と似ているが、パワフルで輝いていた。女神は言った。「これは、傷つく前の、本来のあなたの姿です。」
この世の中には、自分と同じ人は一人もいない。100%理解してくれる人もいない。だからこそ、 自分が自分の味方になって自分を理解してあげなくては、本当にひとりぼっちになってしまう。この存在はあなたの味方です。
そしてまた呪文を唱えると、本来のココロはスッと水晶玉に入っていった。「いつでも呪文を唱えると本来のあなたが出てきます。呪文を唱えなくても、ここにいます。 誰よりもあなたの味方だから、いつも相談したり対話したりして大切にしなさい。」女神はそう言い残して去って行った。
ココロは、水晶玉の自分を“ココリッチ”と名付けて会話を試みた。
ココリッチは言った。「山の向こうの“ニポジポン王国”なら仕事が見つかるかも。」ニポジポン王国へ行くことにしたココロは荷物をまとめるために一旦自宅へ帰宅する。両親の目に写るココロの姿は、ココリッチがオーバーラップしてパワフルに見え、印象の違いに驚く。ココリッチは「ココロちゃんが私を意識してくれると、他の人は、なんとなく私の気配を感じるのよ」と言う。
★ ☆ ★
ココロはニポジポン王国の入り口にやってきて、観光案内所で地図を受け取る。地図には様々な施設の説明が書いてあり、欄外に「ニポジポン王国の特徴」について説明書きがある。
「この国には王様のように誇り高い人ばかりが住んでいます。全員が王様で、家臣や奴隷はいません。皆がお互いに尊敬しあう風土があり、長所も短所も認め合っています。入国されたばかりの人は、とまどう方も多いですが、あなたも、王様の仲間入りをされることを望み歓迎します。ぜひ素晴らしい王になり、自分で決めて自分で行動して自分の世界を作ってください。」
ココロは地図を頼りに王国を一通り回ってみる。陶芸小屋、書道小屋、能楽堂、文楽劇場、洞窟や 滝、神社、お茶室、銭湯など…
そして“ホメルカフェ”という喫茶店に入った。この店には、必ず知らない人と相席で座って会話しなければならない、というルールがあった。
店に入ってみると 丁度満席になった直後で、たまたまその場に居合わせた床磨き担当“ワイパー”がそこに並ぶようにと指示した。ココロは「あなたも王様なの?床磨きなのに?」と尋ねると、その通りだと彼は応えた。僕はどんな汚れも落とす自信がある。この店はいつもピカピカだろう?だからお客さんでいつも一杯なんだ。僕は誇りを持ってこの仕事をしている。自分でやり方とルールを決め、仕事を探し出し、誇りを持って磨く。誰の奴隷でもない、王様だよ。ココロはその誇りに驚く。ココリッチが「勇気を出して、ここで皿洗いさせてくれって頼んでみて!」とココロにささやく。店長が出てきて面接を受け、ココリッチに支えられながら何とか採用してもらう。
カフェでもココロは失敗が絶えないが、ココリッチに励まされながら、なんとか仕事を頑張る。ココリッチのアドバイスにより、ひがみがちな物の見方が少しづつ変わってきて、ココロの肩から少しづつ力が抜けてリラックスできるようになってくる。
ココリッチはいつも、ココロの皿洗いの技術を褒めるが、ココロはなかなかそれを信じられない。しかしある時ワイパーが「ココロの皿洗いは完璧だね」とココロの腕を褒める。
その時ようやく、ココロは自分を認められ、心の底から喜びがわき上がってくるのを感じた。すると自分の頭上に透明の王冠が輝くのを感じた。「やっと私も王様になれた!」 すると、周囲の人の頭上にも王冠が輝いているのが急に見えてきた。
ココリッチは言った。「私はずっとあなたを褒め続けてきたのに、今まで信じてくれなくて残念だわ。そして他人の一言で信じられるようになるなんて、少しショック。褒め言葉を受け入れた時に王冠が輝くのよ。誰が褒めたかは関係ない。でも王冠が見えるようになってよかったわね。王冠はね、自分が冠っている人にだけ、他人の王冠も見えるものなのよ」
ココロはやっと、ここは本当に王様の住む国なのだ、と信じられるようになった。そこでココリッチは実家へ帰って元のファミレスで働くことを勧める。
実家に戻ると、以前とは何も変わらない風景なのに、ココロには輝いて見えた。人の頭には、王冠のある人、ない人、冠が大きい人、小さい人、変形している人、いろいろなものが見えた。ココリッチは「自分に誇りを持っているかどうかが、冠に現れているのよ。自分のことを好きで愛している人には、大きな輝く王冠が見えるでしょ」
ココロには、皆がそれぞれの形の王冠を冠りながら懸命に生きている姿を、昔の自分の姿に重ね合わせていた。今のココロには、それが醜い姿だとは思えなかった。可哀想だとも思わなかったし、 みんな途中の過程にいるのだと感じられた。 皆美しい! 頑張れ〜! 周囲の人を心から応援できるココロが、そこにいました。
ココリッチは輝いているココロを見て安心し、そして「いつでも会えるから、また呼んでね!」と言い、スッと消えていったのでした。
おわり
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